もやもやすること

大学のラボの同級生には成績至上主義の教えてあげる君がいる。彼は全てにおいて勝ちたい欲が強く、それはそれで結構なことだが、同時に人をナチュラルに見下している節がある。いや彼だけではない。ラボの先生にも自分の担当科目での知識のマウントをネチネチと繰り返す人がいる。研究室では担当科目における生徒の試験の出来を一種の笑いの種にして「〇〇くんはよくできている」「○×さんって子成績悪かったけど、どんな子?」などと毎晩、無意味な宴会が長時間にわたり繰り返されている。

 

私は不思議な気分だ。私が成績が良くないのを皆、色々心配してくれているのはわかるが、大学まで来てそんなくだらない話で盛り上がる理由がわからない。そもそも大学の成績なんて、個々人の状況やその科目に対する現時点での熱量しか表しておらず、AだろうがDだろうが、秀だろうが可だろうがなんでもいい。様々な人間がいろんな背景や思いを抱えており、それでも研究に興味があるからその場に集っているのだから、ラボ内で成績の話や国試の話で盛り上がることは野暮なことだと思う。非常にくだらない、時間のロスと言える。心から他人の成績を心配するような態度ではなく、知識をひけらかしたりマウントをとって優越感に浸りたい気持ちが見え透いているから気分が悪いのだ。もちろん、研究や業績の話でマウントをとってくれる分には刺激になるので結構である。

 

私はそもそも大学という場所を見誤っていたかも知れない。説明するのは非常に難しいが、大学という場所はそもそもガリ勉を嫌う場所だと思っていた。ガリ勉と書くと語弊があるが、単に成績だけで人を見るのではなく、学問を探究し好奇心を持っている人間を評価する場所だと思っていた。が、現実はそうではないみたいだ。いや、すこしはそんな部分感じるられるから私は現在ラボで研究に勤しめているわけだから、全部が全部否定するつもりはない。でもどうも引っかかることがたくさんある。教えてあげるくんの口癖は「成績さえ良ければ何やっててもいい」だ。研究をしているのも将来、教授になって出世がしたいからそうである。こんな感じで医者として出世していくのだろうかと思うと、薄ら寒いものを感じるのだ。

 

とにかく、彼らにくだらないマウントを取られて気分を害されるようなことがないように成績だけは良くしておこうか、めんどくせぇなと思った次第である。