自称○○のススメ

私は自称科学者だ。

 

身分は学部生だが毎晩日付が変わるまで、研究室で先生や上級生たちと議論を交わし、論文を漁り、実験して遊んでいる。先行きは不透明だし、そもそも進級できるかも分からないのにも関わらず。だが私は今日、今という瞬間、自分の長年の夢、すなわち「真理の探究、人類の知の進歩に携わること」を叶え、そしてその喜びを噛みしめている。学位や身分、立場は関係ない。自然の女神は平等に微笑む。どういう形であれ結果は後からついてくる。

 

繰り返すが、私は立派な科学者だ。自称する、それでいいのだ。

 

何言ってんだこいつ、と思った方。普通はそう感じるだろう。自称○○、というとニュースなどで「自称ユーチューバーの容疑者」という怪しげな人種が連想されるものだ。だから自称科学者も胡散臭いし痛い。

 

でも私は自称することが本当に大切だと思う。特に作家、科学者、芸術家は自称することから始まる。いや、それらの職業だけでなく、どんな職業でも自称し、自ら称号を与えることはとても大切なことだと思う。サッカー好きな少年が泥まみれになりながら有名なサッカー選手になりきったり、お菓子作りが好きな女の子が家族に味を認められたことでパティシエになりきったり。子供は少なからず皆そうやって大人になる。自称することで自分の生き方そのものを自分で決めるのだ。自称した時点であなたは立派な○○だ。繰り返し言うが身分や立場は関係ない。自称を笑う人は権威主義的でつまらない。

 

余談:She is a good tennis player. を「彼女は上手なテニスプレーヤーだ。」と訳すと

△になる。彼女が一般人でクラブ活動や趣味でテニスをしており、プロのテニス選手でない場合、日本語では「彼女はテニスが上手い。」と訳す。だがプロかどうかなんか関係ないだろうと思ってしまう。そんなことは文脈でわかるからありのままに訳した方が正しく訳せているような気がする。あくまで彼女はgood tennis playerであるのだから。これは完全に英語の素人の意見なので間違っていたらすみません。