「可愛くてごめん」という曲

流行りの歌は世相を表す。歌は世間の好みという自然選択が働くことで流行るものと流行らないものに分かれるからだ。可愛くてごめんという曲を聞いたときに違和感を覚えた。この違和感はなんだろう。少し前に「うっせぇわ」という曲が流行ったときと似た違和感だ。歌が世相を表すならば、それは社会に対する違和感ということになる。世間の目を気にせず自分の好みを通すのは素晴らしいことだよね、という内容の歌だが別に今も昔もある話だ。ではなぜ違和感を感じるのか。自己完結的だからだと思う。基本的に他人との諍いを避けて、頭の中ではボロカスにこき下ろして「自己肯定感」を上げる。「あー、すっきりしたし好きなYouTuberでも見よ♪」と、小さな殻に閉じこもって細分化されたコンテンツにお金をかける。わたしが良ければそれでいい。確かにみんなそんなところはあるが、それを歌にされると情緒も糞もないといったところか。